ボクシングの世界王者って何人いるの?階級や団体とは?
2018/01/03
現在、7人の(男子)世界王者を抱えている日本ボクシング界。
もうじき毎年恒例の年末ボクシング世界戦も行われます。
今年もテレビのチャンネルの切り替えが忙しくなりそうです。
ところで、「ボクシングってなんでそんなに世界王者が沢山いるの?」
こんな疑問をよく耳にします。
そこで今回はボクシングの世界王者の人数についてお話ししたいと思います。
■ボクシングの階級
ボクシングという競技は柔道やレスリングのように体重によって各階級に区分されています。
出来るだけ体格差をなくし純粋にテクニックを競うため細かい階級に分かれています。
この記事を書いている2016年11月現在のボクシングの全階級になります。
- ヘビー級 90.719Kg以上
- クルーザー級(男子のみ)90.71Kg以下
- ライトヘビー級 79.38Kg以下
- スーパーミドル級 76.20Kg以下
- ミドル級 72.57Kg以下
- スーパーウェルター級 69.85Kg以下
- ウェルター級 66.68Kg以下
- スーパーライト級 63.50Kg以下
- ライト級 61.23Kg以下
- スーパーフェザー級 58.97Kg以下
- フェザー級 57.15Kg以下
- スーパーバンタム級 55.34Kg以下
- バンタム級 53.52Kg以下
- スーパーフライ級 52.16Kg以下
- フライ級 50.80Kg以下
- ライトフライ級 48.98Kg以下
- ミニマム級 47.62Kg以下
- アトム級(女子のみ) 46.26Kg以下
男子女子ともに17階級に分かれており、それぞれの階級に王者が存在します。
ということは世界中でチャンピオンは男子女子ともそれぞれ17人しかいないことになります。
その中で現在、男子世界王者を7人も抱える日本人はとんでもなく凄いと言えます。
なんせ17本しかないベルトのうち4割越えの7本を日本人が独占しているのですから。
まさにボクシング王国!と言いたいところです。
ところが世界王者はたった17人ではなく実はもっとたくさん存在するのです。
■ボクシングの団体
よくテレビなどでボクシングを観ると開催される世界タイトルマッチのタイトル名の前に「WBC」とか「WBA」などの言葉を聞いたことがあると思います。
実はボクシングのタイトルを認定する団体は複数あり、それぞれが独自に王者を認定しているのです。
つまり、『階級の数×団体の数=世界王者の人数』となるのです。
ボクシングが発足された当初は一つの団体だったのですが、団体の分裂などにより増えていき、現在ではマイナーな団体まで数えるとかなりの数になります。
そんな中、現在日本で認められている団体は「WBA」「WBC」「IBF」「WBO」の4団体。
「IBF」と「WBO」は男子のみ認定されています。
その他の団体のタイトルが懸かった試合は日本では認められていないため、日本のリングで試合を行うことはできません。
これらの団体で存在する王者の人数は男子が17階級×4団体で68人、女子が17階級×2団体で34人となるのです。
■乱立する王者
団体の増加によって王者が増えたことに加え、さらに王者がけが等の理由で防衛戦が行えない場合に代理のチャンピオンとして暫定王座というものが用意されて同じ団体の同じ階級にもうひとり王者が誕生します。
暫定王者は本来、正規王者が試合の出来る状態に復帰した際には王座統一戦を行いこの試合の勝者が正規王者となるのですが、近年このルールが曖昧になってきており、正規王者がけがもなく普通に防衛戦をこなしているにもかかわらず暫定王者が誕生したりと無茶苦茶な状態になりつつあります。
さらにWBAでは王者の上にスーパー王者を設けたりと何がなんだかわからなくなっている始末。
王者の価値がどんどん下がってしまっています。
■これからのボクシング界
世界王者のベルトを巻くというのはボクシング選手の大きな夢です。
しかし近年の王者乱立により昔に比べてベルトの価値が下がってしまっていることは否めません。(※現在でも世界のベルトを奪取することができるのは一握りの人でめちゃくちゃ凄いことです!)
今後は長谷川穂積選手や井岡選手などのように複数階級の制覇や山中慎介選手のように世界的に有名な強敵と試合をしたり、高山勝成選手のように他団体制覇、三浦隆司選手のように本場ラスベガスのリングで活躍するなど人々の記憶に残る選手が評価される時代となってきたのではないでしょうか。
そういった意味では井上尚弥選手とローマン・ゴンザレス選手との怪物対決はまさしく人々が望む夢の対決になると思います。
両者が脂ののっているときに是非とも実現してくれることを願います。