比嘉大吾!体重超過で王座剥奪とまさかの初黒星!適正階級での復帰に期待!
2018/04/26

4月15日に行われたボクシングのWBC世界フライ級タイトルマッチ。
王者の比嘉大吾選手が前日の軽量で900gオーバーし体重超過により王座剥奪となった。
1度目の計量後、2時間の猶予を与えられたが具志堅会長曰く「汗が全くでない」とのことで1時間半後に断念した。
翌日、両者の意向により試合は行われたが比嘉選手が勝利もしくは引分の場合には王座は空位に、チャレンジャーのロサレス選手が勝利した場合は新王者誕生という条件付きで。
そして結果は9ラウンドに比嘉陣営からのギブアップによるTKO負けとなりました。
比嘉選手がこれまで更新していた連続KO記録は日本記録タイの「15」でストップ。
ベルトや連続KO記録を失った比嘉選手には今後JBCより重い処分が下される模様。
おそらく一定期間リングに上がれないのではないかと見られている・・・
日本人世界王者ではじめての事態に日本中に衝撃が走ったこの事件。
正直、びっくりしました。
そこで今回は比嘉大吾選手の体重超過の件について私個人が勝手に感じたことを書いてみたいと思います。
■見ていて辛い試合だった
リングに登場した時点で比嘉選手のいつものオーラが全く感じられない。
とにかく覇気がない。
いつものギラギラした比嘉選手ではない。
これが最初の印象でした。
ゴングが鳴ってさらに異変を感じたのはいつものようなパンチ力が感じられない。
また、普段もらわないようなパンチをもらっている。
いや、もらいすぎている。
1ラウンドが終わった時点で比嘉選手の体調の悪さをハッキリと感じました。
おまけに挑戦者のロサレス選手が思っていた以上に強い。
これはもしかすると連続KO記録更新どころではないんじゃないか・・・
不安は的中し、試合が進むにつれ劣勢に立たされた比嘉選手。
いつものパンチ力がないせいか、ロサレス選手を止められない。
止まらないロサレス選手はどんどん攻めてくる。
8回終了時点の公開採点では0-2とポイントもリードされていました。
続く9回、比嘉選手がほとんど手を出さなくなったところで陣営がギブアップを申し入れTKO負けとなってしまいました。
きっと相当キツイ状態だったにも関わらず、関係者や相手にこれ以上の迷惑をかけないためにリングに上がったんでしょう・・・
正直、見ていて辛い試合でした。
万全の比嘉選手ならいつもの強打でロサレス選手を止めることができ、あそこまで簡単に攻められることはなかったと思います。
試合展開もかなり違っていたでしょう。
■どんな理由であれ、体重超過はアウト
今回の比嘉選手の体重超過に関して、様々な意見が飛んでいます。
プロなんだから減量はできて当然といった厳しい意見。
逆に、あのカラダつきを見て、
「本当に頑張ったんだけれど落とすところがなかったんだな」
「比嘉選手は以前から階級を上げたがっていた、それでもフライ級で試合をさせたジム側が悪い」
「試合間隔が短すぎる」
など比嘉選手を擁護する声も。
しかし今年2月に山中慎介選手が体重超過したルイス・ネリ選手に敗れた試合で体重超過に対し日本中から非難の声が巻き起こっていました。
この問題が冷めやらぬ中での今回の体重超過はタイミング的にも悪かったなと感じます。
比嘉選手が真面目な選手であること、故意的に体重超過を犯したわけではないことは日本中の誰もが認めていることでしょう。
しかし階級制のスポーツをしている以上、ここは絶対に犯してはいけないルールであることには間違いありません。
重量級並みのバキバキのカラダを作ってきて、「体重が落ちませんでした」と言って無理やり試合を強行し勝利を優先する選手が続出してしまう恐れもあります。
同じ日本人だし、期待している選手なだけに大目に見て欲しい気持ちは正直ありますが、何らかの処分は仕方ないでしょう。
あのカラダつきに加えて試合間隔はわずか2か月、さらにテレビ出演などで多忙とあってはカラダを作りながら減量する時間は勿論のこと、試合後に心身を休ませる時間は全くなかったんでしょう。
ダメだとわかってはいるけれど同情するところは多々あります。
■テレビ局も含めて対策が必要ではないか
ここ最近、多発しすぎているボクシングの体重超過問題。
本腰入れてなんとかしないと今後も続くでしょう。
体重超過を犯した選手へのペナルティの強化やハンデも取り入れるべきですが、試合を中止にできない事情をどうにかすべきではないだろうか。
試合後、体調不良により比嘉選手が入院したことからも今回の試合も中止にすべきだったと思うし、体重差のありすぎた山中慎介選手とネリ選手の試合も中止にすべきだったと思う。
テレビ局やスポンサーがあっての興業であるのは間違いないのでJBCだけでは対応しきれないのではないでしょうか。
テレビ局などともこの問題について競技し、今後について対策を練っていく必要があるのではないでしょうか。
■比嘉選手の今後は??
JBCからの処分はまだ発表されていませんが、長期間リングに上がれないことや罰金などが考えられます。
期間はどうでしょう、やはり1年くらいでしょうか。
ベルトを失い、連続KO記録も途絶え、まさかの初黒星。
さらに受賞予定だった沖縄の県民栄誉賞も辞退する考えのようです。
多くの物を失ってしまいました。
しかし比嘉選手は現在22歳、まだまだこれからの選手です。
謹慎後に適正階級へアップしてまた1から再スタートとなるでしょう。
1階級上のスーパーフライでもきついように思えますので2階級上のバンタムまで上げるのではないでしょうか。
極限状態だったフライ級よりもむしろ適正階級での比嘉選手のパフォーマンスを見たいと思っているファンはきっと多いでしょう。
井上尚弥選手や田中恒成選手らも適正階級に上げたことでさらに高いパフォーマンスを見せてくれました。
復帰後、どんな比嘉選手が見られるのか。
ファンは楽しみに待っています。
今回の件が比嘉選手にとって適正階級や適正な試合間隔への見直しを考えるいいきっかけになるのではないでしょうか。
これまでハイペースな試合間隔で突っ走ってきた分、謹慎期間も「休養」とポジティブにとらえるのもアリではないでしょうか。
当然今回の件の反省は必要ですが、比嘉選手にとって良い意味でのターニングポイントになることを祈ります。