年末ボクシング!強かわいい王者、田口良一選手の強さに迫る!
2018/01/03
2016年、年末ボクシング世界戦!
今回は5度目の防衛戦を控えたWBA世界ライトフライ級チャンピオン田口良一選手(ワタナベジム)にスポットを当ててみたいと思います。
田口選手といえば甘いマスクのイケメンボクサーですが世間からは『ツヨカワ』と呼ばれています。
『ツヨカワ』とは強くてかわいい、つまり、、
つよかわいい!!
ってことだそうです。
そんな田口良一選手の『かわいさ』は今回は置いておいて、『強さ』に迫ってみます。
■田口良一選手のプロフィール
第29代WBA世界ライトフライ級チャンピオン
- 生年月日:1986年12月1日生(30歳)
- 身長:166cm
- リーチ:172cm
- 出身地:東京都
- 戦績:28戦25勝(11KO)2敗1分け
- タイプ:右ボクサーファイター
【獲得タイトル】
- 第64回東日本ライトフライ級新人王
- 第57回全日本ライトフライ級新人王
- 第35代日本ライトフライ級王者
- 第29代WBA世界ライトフライ級王者
中学時代に地元のボクシング教室に通い、ボクシングを始めました。
高校卒業後にワタナベジムへ入門。
高校3年時に読んだ漫画の影響を受けて本格的にボクシングに取り組み始めたそうです。
その漫画とは『はじめの一歩』です。
主人公の幕の内一歩は当初いじめられっこで、ボクシングを始めることにより自身がつき精神的にも肉体的にも強く成長していきました。
実は田口選手も小学生の頃いじめられていた過去があったそうです。
幕の内一歩と少し共通するところがありますね。
そんな一歩を追い越して田口選手の方が先に世界チャンピオンになっちゃいましたね。
■プロデビューから日本チャンピオンへ
2006年7月にプロデビュー。
デビュー戦は1ラウンドTKO勝ちで、デビューから9連勝を飾ります。
その間に東日本新人王、そして全日本新人王に輝きます。
10戦目で初黒星を喫しますが、その後は再び連勝街道を進み17戦目で後に世界王者となる木村悠選手を6ラウンドTKOで下し、日本タイトルへの挑戦権を獲得します。
次戦の日本タイトル初挑戦では惜しくも引き分けでタイトル獲得はならず。
その後、1戦挟んだプロ20戦目に2度目の日本タイトルへ挑み、見事に日本ライトフライ級タイトルを獲得!
■知名度アップ!あの選手との一戦!
正直なところ、現在の日本のボクシングで有名になるには世界王者となって防衛を続けながらテレビに映る機会を重ねてようやくといった感じです。
日本チャンピオンではボクシングファンには名は売れても世間にはほぼ知れ渡りません。
日本タイトルマッチの防衛戦もなかなかテレビで放送されなかったり、放送されても深夜だったり。
亀田三兄弟や村田諒太選手のようにプロ入り前から話題の選手なら話は別ですが。
ところが21戦目となる初防衛戦がなんとゴールデンタイムで放送されることになりました!
日本タイトルマッチがゴールデンで放送されるなんてそうそうありません。
なぜなら、この初防衛戦で迎えた相手は亀田三兄弟や村田諒太選手同様、デビュー前から話題とされていたあの『怪物』、井上尚弥選手だったのです!
因みに、井上尚弥選手と田口良一選手は以前にスパーリングで手合わせをしており、そのとき田口選手は井上選手のパンチでダウンを喫しており、かなり劣勢だったそうです。
さらに井上尚弥選手のプロテストのスパーリング相手は田口選手が引き分けた当時現役日本王者の黒田雅之選手でこれまた井上選手が圧倒。
この試合、チャンピオンの田口選手よりも井上選手に注目が集まっており、世間の関心は“どちらが勝つか?”ではなく“井上選手がどう勝つか?”に集まっていてまさに井上尚弥選手のための試合、井上尚弥選手のためのテレビ放送でした。
ところがこの試合、負けはしたものの最終ラウンドまで1度も倒れることなく怪物、井上選手に立ち向かいパンチをヒットさせる場面も見せました。
試合後の井上選手もインタビューでチャンピオンの意地がすごかった、自分のボクシングができなかったと田口選手を称えていました。
負けはしたものの全国に田口選手の強さを見せた試合でした。
しかしこの試合、私が一番おどろいた事は試合後のリング上でアナウンサーが敗者である田口選手にインタビューをしたことでした。
私も長年ボクシングを見てきましたが、敗者がなかなかリングから帰ることが出来ず、顔を腫らしながらインタビューを受ける姿はちょっと記憶にないですね、、、
しかも質問内容は井上選手の強さについて。
何だか気の毒な光景でした。
■田口良一選手の強さとは
井上選手との一戦で強さをアピールした田口選手はその後再起し2連勝。
続く24戦目、2014年12月31日の大晦日、初の世界挑戦で勝利し、WBA世界ライトフライ級王者となりました。
その後は初防衛戦から3戦続けてKO防衛!
4度目の防衛戦では元世界王者の宮崎亮選手を3-0の判定で退けました。
順調に勝利を重ね充実している田口選手の強さとはどのようなところでしょうか?
特別スピードがあるわけでもなく、一発で試合をひっくり返すようなパンチ力があるようにも思えません。
ではどこがあの強さを支えているのかというと、私が思う点は①無尽蔵のスタミナ、②まとめてパンチをもらわない、③ボディブローがうまい④打たれ強いといったところ。
飛び抜けて光る武器があるというよりも攻撃面、防御面など全体的にレベルが高いといった感じでしょうか。
きっと相当な練習量をこなしているんでしょうね。
■田口良一選手のエピソード
田口選手は東京都大田区出身で大田区立大森第七中学校を卒業しており、中学校時代の同級生には『SEKAINO OWARI』のSAORIさんがいるそうです。
世界チャンピオンを獲得したときの祝勝会にも出席されたようです。
ところがこの祝勝会で田口選手を祝いに集まった友人たちは田口選手をそっちのけでSAORIさんにサインをもらうのに必死だったとか。
田口選手らしいちょっと笑えるエピソードですね。
本人は笑えないでしょうけど。
■最後に
今回はWBA世界ライトフライ級王者、『つよかわいい』でおなじみの田口良一選手の強さに迫ってみました。
さて、近づいてきました2016年大晦日、5度目の防衛戦を迎えます。
相手はベネズエラ出身の無敗の23歳、カルロス・カニサレス選手です。
なんと戦績は16戦全勝(13KO)と恐るべき成績。
この戦績だけ見るとちょっと大丈夫?と心配になります。
KO率の高さからパンチ力があり、一発に気を付けないといけないとは思いますが、昨年10月に対戦したロベルト・バレラ選手(現WBA1位)以外には強豪との対戦はないようです。
ここは世界戦で強豪相手に5戦5勝(3KO)の田口選手に軍配が上がると私は思います。
今回もきっとつよかわいく、そして『つよかっこいい』試合を見せてくれると期待しています。