稀勢の里!新横綱として迎える三月場所は優勝できるのか?
2018/01/08

今年最初の角界のビッグニュースといえば間違いなく稀勢の里の横綱昇進でしょう。
19年ぶりの日本出身力士の横綱誕生とあって非常に盛り上がっていますね。
ところが一部では横綱昇進に少し早いのでは?ちょっと甘いのでは?との声も挙がっています。
意見が分かれているとはいえ、多くの人が日本出身横綱の誕生に喜んでいることは事実でしょう。
新横綱となった稀勢の里に次にみんなが期待することは来場所の優勝。
優勝して真の横綱の力を見せつけることで少しモヤっとしたこの感じを払拭してもらいたいところです。
さて、稀勢の里は来場所優勝することはできるのでしょうか?
そこで今回は新横綱稀勢の里の来場所の優勝の可能性について、過去の新横綱の成績を参考に考察してみたいと思います。
■過去の横綱昇進後の最初の成績
過去の横綱の昇進後の最初の成績はいかがなものだったのでしょうか?
過去40年ほど遡って、21人の横綱の成績を見てみましょう。
玉の海 13勝2敗
北の富士 13勝2敗
琴櫻 11勝4敗
輪島 11勝4敗
北の湖 11勝4敗
若乃花② 11勝4敗
三重ノ海11勝4敗
千代の富士 1勝2敗12休
隆の里 15勝0敗 優勝
双羽黒 3勝4敗8休
北勝海 11勝4敗
大乃国 8勝7敗
旭富士 13勝2敗
曙 10勝5敗
貴乃花 13勝2敗 優勝
若乃花③ 10勝5敗
武蔵丸 12勝3敗
朝青龍 10勝5敗
白鵬 11勝4敗
日馬富士 9勝6敗
鶴竜 9勝6敗
錚々たる力士が並んでいますね。
しかし昇進後初土俵で優勝した横綱は隆の里と貴乃花のわずか2人のみ。
数々の優勝を手にしてきた名横綱たちですが昇進後に初めて迎えた場所での優勝力士は思いのほか少ないことがわかりました。
過去40年21人の力士のうち全勝1人、13勝4人、12勝1人、11勝7人、10勝以下が8人といった成績。
優勝を目指すといった視点から見ると苦戦傾向にあると言えます。
最近では日馬富士、鶴竜が9勝、現役最強横綱の白鵬でも11勝止まりとなっています。
■新横綱の苦戦の理由とは?
それでは新横綱が苦戦する理由とはどのようなことが考えられるのでしょうか?
ここでは2つの理由を挙げてみたいと思います。
・プレッシャー
同じ格闘技であるボクシングを例に上げるとこのように言われています。
「王座獲得よりも初防衛の方が難しい」
チャンピオンになることは誰もが知る通り非常に大変なことです。
ところが、チャンピオンの立場で相手を迎え撃つという初めての経験や世間からの注目度が格段に上がることは相当なプレッシャーとなるようです。
相撲にもこれに通ずるものがあり、新横綱にとっても同じことが言えるのではないでしょうか。
横綱という王者の立場は強さに加え品格のある相撲が求められ、さらには世間からの優勝への期待は非常に大きなプレッシャーとなることでしょう。
・忙しさ
優勝力士や新横綱は世間から注目されるだけあってテレビやイベントへの出演機会がとても多くなります。
まさに各方面から引っ張りだこの状態です。
土俵外でのアピールは角界の人気獲得や発展のためには必要なことだと思います。
しかし、土俵外での過密なスケジュールは成績に影響を及ぼさないとは言えないでしょう。
■三月場所での優勝は?
3月12日から大阪で三月場所がはじまります。
果たして稀勢の里は優勝することが出来るのでしょうか?
今回参考にした直近40年のデータでは優勝力士は新横綱21人中2人でわずか9.5%。
1場所15日制が定着した1949年以降まで振り返ってみても、実に31人の横綱が誕生し優勝力士は先程の隆の里と貴乃花の二人に加え大鵬のわずか3人で9.6%。
過去の傾向から考えると厳しいように感じます。
しかしこの数字はあくまで過去のもの。
稀勢の里にはこれを覆す力を見せてほしいですね。
■さいごに
三月場所に優勝の期待がかかる新横綱稀勢の里。
優勝して文句なしの横綱になってもらいたいと思います。
もし万が一優勝出来なかったとしても、稀勢の里には次のような他の力士に負けない持ち味があります。
- 怪我のない丈夫な体
- 安定した勝ち星
- 横綱としての品格
これらの持ち味を出し続けて、怪我で休場することもなく毎場所出場し、安定した勝ち星で優勝争いに加わる姿を見せていけば次第に周囲も認める横綱となっていくことでしょう。
稀勢の里に加え、白鵬、日馬富士、鶴竜と4人の横綱が揃う三月場所。
稀勢の里がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみにしたいと思います。