ボクシング山中慎介!3月2日のV12戦へ考えられる3つの不安要素!
2018/01/03

ボクシングのWBC世界バンタム級チャンピオン、山中慎介選手の12度目の防衛戦が近づいてきました。
3月2日、東京・両国国技館で同級6位のメキシコのカルロス・カールソン選手を挑戦者に迎えて行われます。
試合を間近に控えた山中選手は現在、スパーリングを中心にトレーニングに励んでいるようです。
相当に調子が良さそうで順調に仕上がってきているようです。
「神の左」も相変わらずキレキレのようでスパーリングパートナーにバンバン打ち込んでいるようですね。
山中選手の仕上がりの順調さやあまりの強さに対戦相手が見つからず、今回はランキング6位(試合が決まった時点では9位)の選手が相手ということもあってV12戦は山中選手の防衛安泰のムードが流れています。
正直私もそう思っています!
ところが何があるかわからないのがボクシング。
試合を面白く観戦するため、今回の試合についてあえて不安要素を挙げてみたいと思います。
■不安要素① ダウンを喫したここ2戦
「神の左」を武器にKOの山を気づく山中慎介選手。
抜群の攻撃力が印象的です。
それに反して防御の面ではここ2戦続けてダウンを喫するという不安な点が見えました。
・まずは前々回のV10戦
同級3位のリボリオ・ソリス選手(ベネズエラ)を迎えた昨年の10度目の防衛戦。
この試合ジャッジ3人が117-107と判定では圧勝でしたが、なんと2度のダウンを喫する大ピンチがありました。
この試合、得意の左ではなく右フックを的確に打ち込んでいた山中選手。
2Rにはこの右でソリス選手からダウンを奪います。
ところが迎えた3R、右フックを放った際、先にソリス選手の右が山中選手のあごを捉える。
山中選手は尻餅をつくようにダウンを喫しました。
立ち上がった後、ソリス選手が猛攻をかけてきます。
猛攻をしのぎながらも右フックを返す山中選手に再び右を合わされまたもダウン。
直後にゴングが鳴り助かったもののダメージは明白でした。
その後試合を立て直し、山中選手が再びダウンを奪い返すなど無事防衛に成功しましたが、王座交代という悪夢がよぎる試合でした。
・続く前回のV11戦
同級屈指の実力者アンセルモ・モレノ選手との再戦。
初回に早くも山中選手がダウンを奪い早くも主導権を握ったかに思えました。
しかし今回雪辱に燃えるモレノ選手は前回とは違い非常に攻撃的に山中選手を攻め立てます。
4R、山中選手の右フックに合わせてモレノ選手の右がヒットしダウンを喫します。
続く5Rにも山中選手の右に合わせたパンチでダウンは喫しなかったものの大きくよろめく場面がありました。
試合はその後「神の左」が爆発し山中選手のKO勝ちとなりましたが非常にスリリングな試合でした。
この2戦から共通することは右フックがダウンの原因となっていることです。
得意の左ストレートを放ったあとの右の返しのフックに合わせられていますね。
今回のカルロス・カールソン選手もおそらく狙ってくるのではないでしょうか?
もし前回、前々回同様に右に合わせられる場面があったとしたら非常に危ないシーンが訪れるかもしれません。
■不安要素② モチベーション
前回のモレノ選手やその前のソリス選手などこれまで強敵相手に防衛を重ねてきた山中選手。
特に前回のモレノ選手は世界的にも評価の高い選手です。
再戦とはいえビッグマッチと呼べる試合でした。
それだけに前回はモチベーションもかなり高かったことでしょう。
はたして今回はどれくらいモチベーションを維持できているでしょうか?
11回の防衛を誇った前WBAスーパーフェザー級王者の内山高志選手が王座から陥落した際、敗戦の要因として挙げられたものの一つがモチベーションでした。
アスリートにとってモチベーションとは勝敗を左右する大きな要因のようですね。
内山選手同様、これまで11度と長きにわたって防衛を重ねた山中選手。
今回も高いモチベーションをキープして試合に臨むことができるのでしょうか?
■不安要素③ カールソン選手の若さと勢い
現在34歳の山中選手に対し挑戦者のカールソン選手は26歳と8歳の若さがあります。
また、デビュー戦で敗れはしたものの以降の22戦はすべて勝利しています。
22連勝と乗っておりカールソン選手も今が「全盛期」と語っており、まさに勢いがあります。
上位ランカーが相次いで山中選手との対戦を避ける中、山中選手との対戦するという「リスク」よりも王者に挑戦する「チャンス」を重視したとのことで非常に前向きな選手であると感じられます。
若さと勢い、そしてチャンスを掴もうとする貪欲さは山中選手を脅かす武器となるかもしれません。
■ズバリ勝敗予想は?
今回、山中慎介選手のV12戦について3つの不安要素を挙げてみました。
それらを考慮した上での私の試合予想は、、、
山中選手の前半から中盤でのKO勝ち!
試合を面白く観戦するためにあえて不安要素を挙げてみましたが、山中選手圧勝の予想は揺るぎないように思います。
不安な右フックに関してはかねてから山中陣営もわかっていたことで今回は万全の対策を施してくることでしょう。
モチベーションに関してトレーニングの順調さからも維持できている様子がうかがえます。
カールソン選手の若さ、勢いについては少々怖い要素といえますが、前回のモレノ選手や前々回のソリス選手の方が実績・怖さは断然上でした。
ここのところ強敵とのハードな防衛戦が続いていただけに、今回はダメージなく試合を終えてその後のビッグマッチへ進んでほしいですね。