危険生物・ヒアリは日本の冬を越せるのか?繁殖力や天敵の存在は?
2017/10/15

今年も何かと危険生物が日本中を騒がせましたね。
中でも今年初めて日本に上陸し全国を震え上がらせたのが『ヒアリ』。
漢字で書くと『火蟻』。
英語では『red importer fire ant』と呼ばれています。
「ファイヤーアント」と聞くとなんだかものすごく危険度の高さが漂ってきますね。
体調は2.5㎜~6㎜程とそれほど大きくはありません。
強い毒を持っていて刺されるとその名のごとく火傷のような痛みを発症するようです。
刺されると『アナフィラキシーショック』症状をおこすことがあり、最悪の場合、死に至る場合もあります。
アメリカでは年間1400万人ほどの人が被害にあっており、およそ100人の人が亡くなっているそうです。
確率としては14万分の1と非常に低いものですので、万が一刺された場合には落ち着いて医療機関で受診しましょう。
さて、このヒアリですが原産地は南米・ブラジルです。
南米といえば非常に温暖な地域で有名です。
温暖な南米原産のヒアリは果たして日本の環境に順応してしまうのでしょうか?
日本の寒い冬を越すことはありえるのでしょうか?
今回は、今年日本中を震え上がらせたヒアリが日本で越冬できるのか?
また、繁殖力や天敵についても調べてみました。
■アリの冬の過ごし方

夏場は外出すると至る所で見かけるアリですが、冬場はその姿を見かけることはほとんど無いですよね。
そもそもアリは冬をどう過ごしているのでしょうか?
実は冬場のアリは冬の間、木の皮の中や土の中に作った巣穴でじっとしているようです。
冬の寒い間は活動せず、春が来るのを待ち続け温かくなってきたら活動を再開します。
クマやリスの冬眠に似ていますね。
このようにしてアリは越冬しています。
■ヒアリは越冬できるのか?!
ではヒアリはどうなのでしょうか?
そもそも年中温かい南米出身のヒアリに越冬なんて習慣はなかったはず。
日本の寒い冬に耐えられるのでしょうか?
ヒアリは一般的に0℃以下になると冬を越せないと言われています。
日本でも冬場0℃を下回る北海道をはじめ、東北や北陸の地域などは越冬の可能性は低いと考えられます。
今年日本で発見された地域を見てみると・・・
・東京
・神奈川
・名古屋
・大阪
・兵庫
・岡山
・広島
・福岡
東京、神奈川、名古屋、大阪、兵庫などは年に何度か0℃を下回る日があります。
しかし0℃以下の日が何日も続くようなことはあまりないので越冬するかどうかは微妙なところ。
また岡山、広島、福岡などは0℃以下となる日は滅多にないことからヒアリが越冬できる環境にあると言えます。
このことから、ヒアリの恐怖は来年にも持ち越す可能性は十分にあると言えそうです!
■繁殖力は強い!早めの駆除が必要!
ヒアリの原産地、ブラジルには天敵となる存在がいるためそれほど勢力を拡大してはいませんが、天敵のいない地域に渡ったヒアリは一気に勢力を拡大しているようです。
現在、原産地ブラジル以外では北米、フィリピン、タイ、台湾、中国、オーストラリアなどに生息しています。
ヒアリの天敵のいない北米では原産地ブラジルの数倍以上に増殖したヒアリがいると言われています。
ヒアリの女王アリは1日におよそ2000〜3000個の卵を産むと言われています。
また、巣の中に女王アリは1匹ではなく10匹ほどいることも。
となると1日20000~30000個もの卵を産むことになります。
あっという間に大群が出来上がってしまいますね。
過去には巣の中に100匹以上の女王アリがいた事例もあるそうです。
恐ろしい・・・
■ヒアリの天敵は?

ヒアリの天敵と言われているのはアマゾンなどに生息するノミバエというハエ。
このノミバエはヒアリのフェロモンを感知してヒアリの体内に卵を200個程度産みつけて寄生させ、卵を孵化させます。
孵化した幼虫はヒアリの体内で成長し最後は成虫となりヒアリを食い破って出てくるという恐ろしいハエです。
間違いなくそんなハエは日本にはいません。
また、アルマジロや一部のクモや鳥にもヒアリを食べる種がいるそうです。
アルマジロは日本に生息していませんが、日本に住むクモや鳥がヒアリの天敵となってくれることを願うばかりですね。
とはいえ1日に大量に産卵するヒアリ。
仮に日本に住むクモや鳥がヒアリを捕食したとしても繁殖力が半端ないだけに追いつかないように思えます。
もしかすると日本も北米のようになってしまうかもしれません。
怖いですね。
■もしヒアリを見つけたら?
さいごに、もしヒアリに遭遇したら私たちはどうすれば良いのでしょうか?
まずは、絶対に素手で触ってはいけません!
一番は地域の地方環境事務所に通報するのがベストです。
ご自身で対応するのは出来るだけ避けましょう。
もし万が一、対応する必要がある場合には、市販のアリ用の殺虫剤が効果があるようです。
ヒアリは非常に攻撃的な性格なのでとにかく距離をとって対応しましょう。
くれぐれも深追いは禁物です。
絶対に無理はしないでください。