大相撲の一門とは?勢力図、影響力から貴乃花親方の理事復帰の可能性を探る

大相撲を見ているとたびたび耳にする「一門」という言葉。
また、ここ最近は元横綱日馬富士による暴行事件の報道でこの「一門」という言葉をよく聞きますよね。
ところで大相撲の「一門」とはどのようなものなのでしょうか?
そこで今回はこの「一門」の勢力や相撲協会に及ぼす影響について。
また、「一門」の影響による貴乃花親方の理事復帰の可能性についてお話ししたいと思います。
■一門とは?
相撲部屋の「一門」とは簡単に言ってしまえばいくつかの部屋が集まった派閥のようなものです。
その昔(明治時代)、本場所は年2回(それぞれ10日)しかなかったため、各部屋は自主興行による巡業を行なっていました。
つまり出稼ぎを行っていたわけです。
その際に1つの部屋で行うより、複数の部屋が協力してグループを組んで興行する事で効率性よく収益を上げることができました。
このようにお互いにウインウインの関係で構築された派閥のようなグループが現在の「一門」へと発展していきました。
かつてはこのように連合巡業を行ったり、同じ一門に所属する力士同士の対戦が行われないなど、一門による影響力は大きなものでした。
しかし現在では一門単位での巡業は行われていません。
また、同じ一門に所属する力士同士の取り組みも行われています。
これは1957年から60年代にかけて相撲協会の改革により各制度が変わったことによります。
但し、一門による連合稽古は今でも行われています。
また、同じ一門の力士の取り組みは行われていませんが、同じ部屋の力士同士の取り組みは優勝決定戦を除き基本的には行われません。
■一門の勢力図
2018年1月現在、6つの一門が45の部屋で構成されています。
また、一門に属していない無所属の部屋も2つあります。
・出羽海一門:11
・時津風一門:8
・二所ノ関一門:8
・伊勢ヶ濱一門:6
・高砂一門:5
・貴乃花一門:5
・無所属:2
※数字は所属部屋数
部屋数を見てみると出羽海一門が11部屋と一番多くの部屋を抱えています。
また、部屋数のみならず、相撲協会を牽引する理事を出羽海一門の4人の親方が務めています。
このことから出羽海一門の勢力が強いと言えますね。
■一門の理事選への影響は?
相撲協会を運営する理事や副理事の選出には一門の勢力が大きく影響します。
理事・副理事の選出は事前に各一門による話し合い、つまり談合により決まることが多かったのですが、近年では投票による選挙で決められています。
その場合、理事選挙は相撲協会に所属する年寄(親方)による投票で決められます。
基本的には同じ一門の親方に投票するため、より多くの年寄のいる一門が有利となります。
■貴乃花親方は理事長に復帰できるの?貴乃花グループとは?
昨年の元横綱日馬富士による事件の影響で理事を解任されてしまった貴乃花親方。
しかし、週刊誌やワイドショーでは2月の理事選挙で貴乃花親方の理事復帰は濃厚と言われています。
理事当選へ必要な票数は8~9票と言われています。
貴乃花一門に所属する年寄は以下8名
・阿武松
・大嶽
・音羽山
・不知火
・立浪
・千賀ノ浦
・常盤山
・貴乃花
候補者の貴乃花親方を除くと7名となり、当選に必要な投票数獲得には足りません。
このことから貴乃花一門の勢力のみでは厳しいと言えます。
しかし貴乃花親方には現役時代から仲の良かった親方で一門の枠を超えてバックアップしてくれる親方がいます。
例えば、時津風一門の時津風部屋の時津風、錣山部屋の錣山、湊部屋の湊など
このように一門に関係なく貴乃花親方を支援しているグループは「貴乃花グループ」と呼ばれています。
貴乃花一門、そして貴乃花グループの親方たちの票が集まると考えると貴乃花親方の理事当選が濃厚と言われるのも納得がいきますね。
■さいごに
1月17日に貴乃花一門が一門会を開き、2月に実施予定の理事選挙について協議したようです。
この日集まったのは貴乃花一門の親方たちに加え、昨年12月に時津風一門を離脱した湊親方、錣山親方、立田川親方らも参加し総勢11名。
貴乃花親方の理事再選に向けて足固めは着実に進んでいるようです。
暴行事件の一件以来、相撲協会VS貴乃花親方の構図が取り上げられていますが、2月の理事選、3月の理事長選とまだまだ相撲協会の波乱は続きそうですね。