カジノとギャンブル依存症・日本はシンガポールの入場規制を学ぶべき!
2月15日、政府は統合型リゾート(IR)実施法に盛り込む日本人客のカジノへの入場回数の上限などを定めた案を自民党のIR実施に向けた制度・対策に関する検討プロジェクトチームに示しました。
その内容は週3回、月10回とする入場回数の制限。
またマイナンバーカード提示による本人確認や入場履歴確認の実施。
これらの規制を設けることによって問題となっているギャンブル依存症対策につなげたいと考えているようです。
そんな中、今回の制限について自民部会では「規制が厳しすぎる!」との異論が相次いるそうで、今後も議論は継続するとのことです。
はたして、この制限はそんなに厳しすぎるものなのでしょうか?
普通に働いているサラリーマンであれば週の休みは1〜2日です。
仮に2泊3日の旅行としてIRを訪れたとしても3日もカジノに行きますかね?
今回の案である週3回を上回り、週に4回もカジノに行くって完全にギャンブル依存症ですよね。
そもそもIRって外貨を稼ぐことが一番の目的なんじゃないのでしょうか?
国民から金をむしり取っても仕方ないように思いますが。
そこで今回は国民のカジノ入場規制やギャンブル依存症対策についてシンガポールの例をみて、考察してみたいと思います。
■シンガポールの依存症対策
2011年からカジノを取り入れているシンガポール。
自国民に対してどのような対策をとりいれているのでしょうか?
年間利益が2,000億円と言われ成功をおさめているシンガポールのカジノ経営は日本にとって非常に参考になると思います。
賭け金の上限設定
利用者がカジノ側へ事前に利用額、いわゆる軍資金を申告しておき、カジノ運営事業者に預けておきます。
カジノ利用額が預けていた金額に達した場合には運営事業者からカジノ施設からの退去を促されます。
再び利用するには24時間以上の経過が必要となります。
これによりタネ銭が切れたからATMまで行って降ろしに行って即リベンジだ!ということはできません。
「上限を1万円までって決めていたのに3万円も使ってしまった。またやってしまった・・・」
パチンコや競馬などをやっている人は一度はこんな経験あるのではないでしょうか。
自分の中で上限を決めていても熱くなると自分を抑えられない人にとってこの上限設定はとても効果がありそうな制度ですね。
入場料の徴収
外国人観光客は入場無料ですがカジノ施設を利用するシンガポール国民及び永住者から入場料(1日およそ7500円、年間150,000円)を徴収し、入場パスを渡しています。
入場パスは2種類、24時間パスと年間パスがあり、利用者は有効期間内に限り入場可能となります。
住民登録証、運転免許証等で本人確認をするとともに、そこに記載されている全ての国民に付与された個人識別番号、日本でいうマイナンバーを利用して、入退場時間を管理しています。
滞在時間が有効期間を超えてしまった場合は、追加で入場料を支払わなければなりません。
入場料およそ7,500円もかかるとなると一般サラリーマンには結構ハードルの高い入場料ですよね。
7,500円マイナスからのスタートと考えると儲けることも難しそうですので、ある程度お金と気持ちに余裕のある人しか入り辛くなりそうです。
カジノからの排除制度
申告することによりカジノへの入場を禁止する制度です。
本人自ら申告することもできますし、家族からの申告も可能です。
また、政府の権限によって借入履歴の良くない人やカジノ常習者で金銭的な問題を抱えている人の入場排除や制限をかけることができます。
ギャンブル依存者の中には、負けたあとに「もう二度と行くものか!」と心に誓うも、お金ができるとまた行ってしまう人が非常に多いです。
私もパチンコにハマっていたときは「もう二度と行かない!ギャンブルなんかやめる!」と負けたあとには決心するも、次の給料日にはパチンコ屋へ向かってしまい、また負けるという負のスパイラルにハマってしまっていました。
このスパイラルから中々抜け出せなかったんですよね。
以前の私のように辞めようと思ってもついついまた行ってしまうような人にはこの入場制限は有効ですね。
また、政府の権限により生活保護者や自己破産者に対し入場排除や制限をかけることは倫理的にも必要な措置と言えるでしょう。
■今回の案は厳しいのか?あらためて考察
さて、シンガポールの規制を知った上で、今回の政府の案が厳しいかどうか考えてみると、目くじら立てるほど厳しいようには思いませんね。
それどころか排除制度も加えた方がいいと思います。
IRだけじゃなくて国内のギャンブル全体に適用してもいいんじゃないでしょうか。
ギャンブル依存症は家族は勿論、本人も苦しんでいます。辞めたいのに辞められないと。
それを救うには排除制度のように強制的に止める仕組みが一番手っ取り早い。
パチンコや公営ギャンブルは開催時間が限られていますが、カジノは24時間です。
どこかで規制を設けなければかつてないスピードで破産する人が出てきてしまいそうに感じます。
なんてったって日本人のギャンブル依存者数は世界トップクラスなのですから。
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