村田諒太!エンダムと再戦決定!ちょっと危うい?世界戦再戦の傾向とは?
2018/01/03

ボクシングのWBAミドル級1位の村田諒太選手と王者のアッサン・エンダム選手の再戦が決まりました。
10月22日、東京・両国国技館で行われます。
今年5月に行われた両者の対戦・WBA世界ミドル級王座決定戦では村田選手がダウンを奪うなど優勢に試合を進めながらも1-2の判定で敗れ、エンダム選手が新王者となりました。
しかしこの判定をめぐり世界中で物議を醸し、ついにはWBAはジャッジ2名の処分と両者の再戦を命じました。
この判定に対するWBAへの不信感や他団体から村田選手に試合のオファーが来ていたこともあり、
再戦は選択肢の一つ!
としていた村田陣営ですが、エンダム選手との再戦に落ち着いたようですね。
前回の判定に納得のいかないファンとしては今回の再戦で村田選手が勝利すれば、溜まっていたうっ憤はスッキリしそうですね!
ところでボクシングでは過去にも度々、再戦いわゆる“リターンマッチ”は行われてきました。
最近では山中慎介選手とモレノ選手のリターンマッチや内山高志選手とコラレス選手なんかが記憶に新しいですね。
さて、今回の試合を予想する材料の一つとして、過去のボクシング世界戦の再戦について振り返ってみました。
すると“ある傾向”が見えてきました。
■過去の再戦を検証
正直なところ、多くの人が“村田諒太選手の圧勝”だったと見ている前回の対戦。
多くの人が、
「実力差は明白!」
「今回も村田選手の方が有利!」
「村田選手がエンダム選手を圧倒するだろう!」
このように考えているのではないでしょうか。
正直、私もそう思います。
しかし過去の再戦の傾向を振り返ってみるとこのような予想とは違った傾向が見えてきます。
それでは日本の選手の過去の世界戦における“再戦”を見てみましょう。
記録は直近の15年分のものです。
・星野敬太郎VSノエル・アランブレッド(WBAミニマム級)
2002.7.29 ●星野(王者) 判定0-2 〇アランブレッド
2002.12.20 〇アランブレッド(王者) 判定 ●星野
・仲里繁VSオスカー・ラリオス (WBCスーパーバンタム級)
2004.3.6 〇ラリオス(王者) 判定3-0 ●仲里(4位)
2003.4.26 〇ラリオス(王者) 判定3-0 ●仲里(5位)
・坂田健史VSロレンソ・パーラ(WBAフライ級)
2004.6.4 〇パーラ(王者) 判定2-0 ●坂田(2位)
2005.9.19 〇パーラ(王者) 判定2-0 ●坂田(3位)
・徳山昌守VS川島勝重(WBCスーパーフライ級)
2003.6.23 〇徳山(王者) 判定3-0 ●川嶋(5位)
2004.6.28 ●徳山(王者) TKO1R 〇川嶋(6位)
・長谷川穂積VSウィラポン・ナコンルアンプロモーション(WBCバンタム級)
2005.4.16 ●ウィラポン(王者) 判定3-0 〇長谷川(4位)
2006.3.25 〇長谷川(王者) TKO9R ●ウィラポン(1位)
・川嶋勝重VSクリスチャン・ミハレス(WBCスーパーフライ級)
2006.9.18 ●川嶋(2位) 判定1-2 〇ミハレス(4位)
2007.1.3 〇ミハレス(王者) TKO10R ●川嶋(2位)
・亀田興毅VSファン・ランダエタ(WBAライトフライ級)
2006.8.2 ●ランダエタ(1位) 判定1-2 〇亀田(2位)
2006.12.20 〇亀田(王者) 判定3-0 ●ランダエタ(1位)
・坂田健史VSデンカオセーン・カウィチット(WBAフライ級)
2007.11.4 △坂田(王者) 引分 △デンカオセーン(2位)
2008.12.31 ●坂田(王者) KO2R 〇デンカオセーン(1位)
・粟生隆寛VSオスカー・ラリオス(WBCフェザー級)
2008.10.16 〇ラリオス(王者) 判定1-2 ●粟生(9位)
2009.3.3 ●ラリオス(王者) 判定3-0 〇粟生(3位)
・亀田大毅VSデンカオセーン・カウィチット(WBAフライ級)
2009.10.6 〇デンカオセーン(王者) 判定2-0 ●亀田(11位)
2010.2.7 ●デンカオセーン(王者) 判定0-3 〇亀田(11位)
・井岡一翔VSファン・カルロスレベコ(WBAフライ級)
2015.4.22 ●レベコ(王者) 判定0-2 〇井岡(3位)
2015.12.31 〇井岡(王者) TKO11R ●レベコ(2位)
・亀田和毅VSジェイミー・マクドネル(WBAバンタム級)
2015.5.10 〇マクドネル(WBA王者) 判定3-0 ●亀田(WBO王者)
2015.9.6 〇マクドネル(王者) 判定3-0 ●亀田(4位)
・山中慎介VSアンセルモ・モレノ(WBCバンタム級)
2015.9.22 〇山中(王者) 判定2-1 ●モレノ(2位)
2016.9.16 〇山中(王者) TKO7R ●モレノ(1位)
・内山高志VSジェスレル・コラレス(WBAスーパーフェザー級)
2016.4.27 ●内山(王者) KO2R 〇コラレス(暫定王者)
2016.12.31 〇コラレス(王者) 判定2-1 ●内山(2位)
※過去15年、2002年~2017年8月までの間に1度目、2度目の対戦が行われたものを抽出。
あくまで1度目、2度目のみが対象で3度目、4度目の対戦は除外。
以上、直近15年を振り返ってみると14度のリターンマッチが行われました。
そのうち、1度目、2度目と連勝しているケースがなんと、
10回!
雪辱が4回!
(坂田VSデンカオセーンは雪辱でカウントしています。)
過去15年の傾向を見てみると初戦で勝った選手の連勝が圧倒的に多いことがわかります。
これだけ見ると村田選手にとって不利な傾向にあると言えますね。
中でも気になるのが川嶋勝重選手VSクリスチャン・ミハレス選手、山中慎介選手VSアンセルモ・モレノ選手の対戦。
前回、僅差の判定で敗れた川嶋選手、モレノ選手は次戦でKOを狙いに積極的に前に出ていくリスキーな作戦を選択しました。
結果、それが裏目に出てのKO負けとなりました。
今回、村田選手はおそらくKO決着を考え前回以上に積極的なボクシングをするのではないでしょうか?
前回よりはリスキーな作戦を選択することが考えられます。
その点がちょっと気がかりです。
しかしまあ、前回が「僅差の」判定負けというより「不可解な」判定負けなので川嶋選手やモレノ選手とは違ったシチュエーションと言ってもいいでしょう。
■さいごに
今回は再戦が決まった村田諒太選手、アッサン・エンダム選手のWBA世界ミドル級タイトルマッチについての予想材料として過去の日本人選手の世界戦における再戦の傾向を挙げてみました。
両者の能力・実力は全く考慮しない、ちょっと視点をずらした予想です。
それを踏まえたうえで傾向から見えたことは、、
リベンジって結構ハードルが高い!!
しかし、これはあくまで過去の傾向。
しかも前回は判定では僅差の負けとなりましたが、実質は村田選手の圧勝と言ってもおかしくなかった試合。
そもそも村田選手はオリンピックミドル級で頂点に立った規格外の選手。
日本人にとってまさに唯一無二の存在です。
過去の傾向という言葉が最も当てはまらない選手と言えるでしょう。
日本人の世界戦の再戦で新たなリベンジの記録が、
そして新たな日本人ミドル級世界王者の誕生が歴史に刻まれる瞬間を期待したい!
10月22日が待ち遠しい!!