田口良一!統一王者に!日本人史上3人目の快挙達成!次の狙いはWBC?WBO?

2017年大晦日に行われたボクシングのトリプル世界戦でWBA世界ライトフライ級王者、田口良一選手がIBF同級王者、ミラン・メリンド選手に3-0の判定で勝利し2団体王座の統一に成功しました。
日本人としては井岡一翔選手、高山勝成選手に続き3人目の2団体統一王者となりました。
2017年ボクシングの大トリに相応しい見事な一戦で、すばらしい勝利でした。
やはり年末のボクシングはこういったビッグマッチを今後も取り入れてほしいですね。
それでは田口良一選手の勝利したWBA・IBFライトフライ級王座統一戦を振り返ってみたいと思います。
■接戦を予想も蓋を開けてみれば圧勝
実は試合前、こんな展開を予想していました。
前半は器用なメリンド選手に手こずるものの、後半は田口選手のタフネスぶりが盛り返し、僅差の判定で田口選手が勝利すると。
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しかし器用さにおいても田口選手の方が完全に勝っていましたね。
結局、見ていてヒヤっとしたのは初回に食らったアッパーくらいで以降、ピンチらしいピンチはなし。
絶妙な距離の取り方でクリーンヒットはほとんど貰わないところが巧かった。
離れては左ジャブ、くっつけば内山高志さん直伝の左ボディでメリンド選手のスタミナをどんどん削っていく。
こんな展開で回を重ねるごとに攻撃に激しさを増していき、終始メリンド選手を圧倒。
蓋を開けてみれば田口選手の圧勝劇でした。
ポイントも116-112、117-111、117-111と文句なし。
余談ですがリングアナウンサーが勝者をコールするまでにあまりにも引っ張るもんだから結構ドキドキしましたね。
2017年5月の村田VSエンダム第一戦の「あの判定」が記憶に新しいだけに、一瞬だけ嫌な予感が頭をよぎりました。
■日本を代表する名王者の域に
2014年12月31日に世界王座を獲得して丸3年。
その間にWBA王座を7度防衛。
WBA、IBFの2団体王座統一。
もはや日本を代表する「名王者」の1人と言ってもいいんではないでしょうか。。
無尽蔵のスタミナは相手の心を砕き、絶妙な距離感で相手に得意なボクシングをさせない。
偉大な先輩・内山高志さんのような破壊力抜群の武器を持っているわけではありませんが、隙がなくていつの間にか田口選手のペースに相手を引きずり込んでいく。
そんな強さがありますね。
例えるならマジシャンというか、アリジゴクというか、いずれにしても対戦相手にとっては脅威といえるでしょう。
■試合以上に気になったこと
試合中とても気になったのが空席の目立つ観客席。
世界王者同士の2団体統一戦という国内で史上2度目のビッグマッチにも関わらず、空席が目立っていたことには寂しさを感じました。
まあ、そんな私も家でテレビ観戦でしたので大きな声では言えませんが。
これまで田口選手らワタナベジムの選手はテレビ東京系列で全国中継ではなかったこともあり知名度が今ひとつだったことも影響しているのかもしれません。
ストイックな印象の田口選手ですが、今後TBSさんもボクシング以外のテレビ出演の機会を増やして田口選手の知名度を上げてほしいと思います。
何せ日本では希少な「2団体統一王者」なのですから。
ボクシング界の新たなスターとして取り上げてもらいたい!
■2018年は誰と戦う?3本目はWBC?WBO?
今回のメリンド戦もそうだしたが、とにかく強い相手を選んで戦い続けている田口良一選手。
2018年は誰と戦うのでしょうか?
いまのところ次戦に予定されているのがメリンド選手と戦い善戦したヘッキー・ブドラー選手が有力のようです。
その次に2016年の大晦日に引き分けたカルロス・カニサレス選手との再戦という話も。
相変わらずスリリングな相手を求めますね。
どうせなら2018年大晦日は3本目としてWBC、WBOのどちらかのベルトを獲りにいってほしいですね。
団体統一戦と言えば色々なしがらみやタイミングの難しさから実現へのハードルが高いことは昨年の井上尚弥選手や田口VS田中恒成戦が実現しなかったことを考えればよくわかります。
特にWBC王者の拳四朗選手と対戦すれば日本人対決ということもあり、かなり盛り上がるのでしょうけれど可能性は極薄でしょうね。
一番の問題はテレビ局が違うことです。
拳四朗選手はフジテレビ、田口選手はTBS。
TBSの看板選手だった井岡一翔選手が2017年大晦日に電撃引退を宣言した今、TBSの大将格は田口選手であり、絶対に外せない存在と言えます。
もし実現することがあれば拳四朗選手サイドが譲歩したときでしょうが難航しそうですね。
現実的な可能性を考えるとWBO王者のアンヘル・アコスタ選手ではないでしょうか。
2017年5月に16戦全勝全KO勝ちというパーフェクトレコードを引っ提げて来日。
当時の王者・田中恒成選手のWBOライトフライ級王座に挑戦するも3-0の判定で敗れプロ初黒星を喫する。
しかし2017年12月に田中選手の王座返上に伴い同級4位のファン・アレホ選手と対戦し10回1分33秒TKO勝ちをおさめ王座獲得に成功。
やはりアコスタ選手は強かった、そしてこの勝利であらためて田中恒成選手の強さがわかりましたね。
アコスタ選手は来日経験もあり、プロで唯一黒星を喫している日本での統一戦ともなれば何か感じるものはあることでしょう。
もし実現し、田口選手が勝利すれば日本人初の3団体統一王者となり、日本ボクシング史に残る大偉業となります。
具志堅さんの連続防衛並みに破れない記録になるんではないでしょうか。
かなり妄想してしまいましたがこれは楽しみですね。