2018年秋のボクシング世界戦スケジュール!試合考察と勝敗予想!
2018/09/09
2018年の秋もボクシング日本人選手の世界戦に豪華なカードが予定されています。
なんといっても日本、そして世界中が非常に注目している井上尚弥選手、村田諒太選手が登場します。
とても楽しみですね。
私個人的には一番楽しみなのは日本人選手同士の対戦となるあの試合ですが・・・
それでは早速、2018年秋のボクシング・日本人選手の世界戦のスケジュールを見ていきましょう!
■2018年秋日本人選手ボクシング世界戦スケジュール
◆9月24日 名古屋・武田テバオーシャンアリーナ
・WBO世界フライ級タイトルマッチ
王者 木村翔VS 挑戦者1位 田中恒成
◆10月7日 横浜アリーナ
・WBSSバンタム級 1回戦
王者 井上尚弥VSファン・カルロス・パヤノ
・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
王者 拳四朗VS挑戦者6位 ミラン・メリンド
◆10月21日 ラスベガス
WBA世界ミドル級タイトルマッチ
王者 村田諒太VS 挑戦者2位 ロブ・ブラント
今年の秋はいまのところこの4カードが組まれています。
木村翔選手と田中恒成選手の日本人対決。
井上尚弥選手のWBSSバンタム級初戦。
拳四朗選手は八重樫東選手を1ラウンドで倒した実力者メリンド選手と。
村田諒太選手は本場ラスベガスのリングで防衛戦。
とにかく楽しみな試合が続きます!
それでは一戦ずつ考察と勝敗予想をしていきたいと思います。
■木村翔VS田中恒成
今年はこのフライ級が本当に楽しみでした。
WBC王者だった比嘉選手は残念ながら戦線離脱となってしまいましたが、木村翔選手と田中恒成選手の対戦が実現!
これは見逃せない一戦です!
田中恒成!木村翔!比嘉大吾!2018年ボクシングはフライ級が熱い!
敵地中国に乗り込んで地元の英雄、ゾウ・シミン選手を圧倒して王者になった木村翔選手。
初防衛では元世界王者の五十嵐俊幸選手を序盤から圧倒しTKO勝利。
今年7月には中国で2度目の防衛に成功。
中国でも大人気となった木村選手。
オリンピック2大会連続金メダリストのゾウ選手、アマチュア経験豊富な五十嵐選手とアマチュアエリートをことごとく退けてきた木村選手。
まさにアマ・エリートキラーです。
さて、今回対戦する田中恒成選手はミニマム・ライトフライと2階級を制覇している無敗の元世界王者。
今回はワシル・ロマチェンコ選手に並ぶ世界最速タイとなる3階級制覇に挑戦。
しかしこの田中選手も高校4冠・アジアユース銀メダルというアマ・エリート。
木村選手のアマ・エリートキラーぶりが発揮されるのか、田中選手の世界最速タイでの3階級制覇達成となるのか?
個人的にはこの秋の世界戦ラッシュの中では一番楽しみにしているのがこの試合です。
王者・木村選手の持ち味は何といっても馬力ある攻撃力。
しつこいくらいに前に出て休みなく手数を出してくる執拗さは相手スタミナを削り、ダメージを重ねて最後に心をへし折る強力なものです。
一方、田中選手の持ち味はスピードと切れ味。
そしてアマチュア仕込みのテクニック。
どちらが勝つか正直予想が付かない一戦です。
木村選手が勝つとすればこれまでの世界戦同様あの強力な圧力と休みない攻撃で田中選手の心身のスタミナを削っていきラッシュを仕掛ける展開でしょう。
田中選手も「俺の心が折れたら負け」と言っているように木村選手の攻撃は相手のカラダのみならず心にまでダメージを与える強烈なものです。
また田中選手はこれまでの防衛戦でもダウンを喫するなど打たれ脆い面をみせているだけに木村選手の強打に耐えられるかどうか。
逆に田中選手が勝つとするならばライトフライ級2度目の防衛戦で戦った当時16戦16勝16KOというパーフェクトレコードを誇ったアンヘル・アコスタ選手との一戦のような展開でしょうか。
ハードパンチャーでグイグイ出てくるアグレッシブなアコスタ選手をうまくかわしながらボディブローでコツコツダメージを与えていき主導権を握る。
木村選手のプレッシャーも相当なものですが田中選手に敗北後も田中選手の返上したWBOライトフライ級王座をKO勝利で獲得したアコスタ選手はやはりハイレベルな選手でした。
あれだけの選手をうまく捌ききったあの試合の再現ができれば田中選手に軍配が上がるでしょう。
木村選手は前回の試合から二ヶ月を切る試合間隔という不安要素を抱えていることも田中選手に追い風となる可能性もあります。
今年2月に防衛に失敗した比嘉大吾選手も短い試合スパンが敗因となりましたが、それ以上に今回は短い。
非常に難しい試合ですが私の予想では6:4で田中選手が有利かと。
もし田中選手が勝利したあかつきには幻となった田口良一選手との対戦を今年の大晦日に実現してほしいですね。
■WBSSバンタム級1回戦 井上尚弥VSファン・カルロス・パヤノ
ついに始まりますね。
バンタム級のNO1を決める「天下一武闘会」ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ。
今大会で優勝候補筆頭の井上選手、英国の大手ブックメーカーのオッズは井上選手の勝利に1.03倍とディープインパクト顔負けの鉄板オッズをつけています。
井上尚弥選手の初戦が日本開催となったおかげで地上波で観戦することができて良かったと思っているのは私だけではないでしょう。
勝ち進んで海外のリングに上がるとなると地上波では放送されずWOWOWやDAZNへの加入が必要となるかもしれません。
さて、井上尚弥選手が今回対戦するファン・カルロス・パヤノ選手はどんな選手なのでしょうか?
ファン・カルロス・パヤノ選手はドミニカ共和国出身の34歳。
サウスポースタイルの元WBA世界バンタム級スーパー王者です。
これまでの戦績は18戦17勝(8KO)1敗。
元WBCバンタム級王者の山中慎介選手と2度の死闘を繰り広げたアンセルモ・モレノ選手に6回負傷判定で勝利しWBAスーパー王座を獲得した経緯を持つ実力者です。
KO率はそれほど高くなく、一発の怖さはありませんが、このクラストップレベルのテクニックの持ち主に間違いありません。
しかし、スピード、パワー、テクニック全てにおいて井上選手がさらに上を行くことから井上選手の勝利が妥当でしょう。
あとは井上選手が何ラウンドで決めるか?
パヤノ選手がまともに仕掛けてくれば決着は早いでしょうが、守勢にまわるとなるとテクニックのある選手ですから判定まで行ってしまうこともありえるのではないかと思います。
下馬評通りKO・判定どちらにしても井上尚弥選手の圧勝と予想します。
とは言え何が起こるかわからないのがボクシング。
とにかく無事に勝ってロドリゲス選手など現役世界王者との対戦にコマを進めてほしいですね。
■拳四朗VSミラン・メリンド
拳四朗選手が今回迎える挑戦者はフィリピンのミラン・メリンド選手。
今回も防衛戦の相手に元王者を選び、毎度のように強敵を迎える姿勢には恐れ入ります。
両者の戦績は
拳四朗選手:13戦13勝(7KO)
ミラン・メリンド選手:40戦37勝(13KO)3敗
ミラン・メリンド選手は八重樫東選手を1ラウンドKOでマットに沈めた衝撃的な勝利でIBF王座を獲得。
しかし昨年大晦日に田口良一選手と王座統一戦を行いフルラウンドの死闘の末、判定で敗れ王座を失いました。
この2試合で日本のファンにもお馴染みの選手になりましたね。
田口選手に敗れたとはいえ、八重樫選手を1ラウンドで倒したキレるパンチは要注意で現在もこの階級のトップクラスであることは間違いなく、非常に危険な相手です。
田口選手はプレッシャーをかけてメリンド選手を下がらせて、出てきたらクリンチとうまい戦い方をしました。
しかしメリンド選手は本来もっと前に出てくる選手であるだけにスマートにかわそうとするとどんどん攻撃を仕掛けてくるでしょう。
田口選手のようにメリンド選手の良さを出させないような戦い方をしないと危険です。
一方、今回が4度目の防衛戦となる拳四朗選手は防衛を重ねるごとに新たな引き出しを増やしどんどん強くなっています。
ぜひ拳四朗選手にはWBA・IBF統一王者のヘッキー・ブドラー選手やミニマム級からの2階級制覇を目指す京口紘人選手らとの対戦を実現させてほしいですね。
そのためにも今回の防衛戦も無事クリアーしてもらわなければいけません。
前回、前々回で見せたサイドへの動きからの攻撃はロマチェンコ選手のようでした。
スタミナがあってしぶといメリンド選手の攻撃をあの動きでフルラウンドかわしきれれば拳四朗選手が判定で勝利するのではないかと考えます。
足を止めてしまうと苦しい展開になってしまうでしょう。
メリンド選手は拳四朗選手のこれまでの相手の中で一番の強敵だと思います。
予想は、希望も込めて拳四朗選手の判定勝ちで。
■村田諒太VSロブ・ブラント
ラスベガスで防衛戦を行う村田諒太選手。
米国のファンからの人気を獲得しビッグマッチへ繋げてほしいですね。
全米のファンが村田選手とゲンナディ・ゴロフキン(GGG)選手やカネロ選手との試合が見たいと熱望し、実現すればファイトマネーも桁が一つ増えることでしょう。
夢がありますね。
村田諒太のファイトマネーはいくら?13社のスポンサーで初防衛戦は1億以上か!
さて、今回対戦する2位のロブ・ブラント選手はどんな選手なのでしょうか?
米国出身の27歳でオーソドックススタイル。
身長は182㎝、リーチは179㎝。
戦績は24戦23勝(16KO)1敗。
これまで世界タイトルを獲得したことはありません。
タイトルへの挑戦は昨年10月にワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のスーパーミドル級トーナメントに出場。
しかし初戦でユルゲン・ブレーマー選手(ドイツ)に判定負けし、プロ初黒星を喫しました。
今年3月にミドル級に戻して復帰戦を行い1ラウンドKO勝利。
復帰戦で見せた右ストレートは長距離から一気に伸びてくるパンチで威力抜群でした。
タフな村田選手でもまともに喰らえば倒れてもおかしくないほどに。
まあ、この階級は誰もがそんなパンチをもっていますが。
過去の試合を見た感想としてはかなり好戦的で結構大振りが目立ちましたね。
得意のパンチは右ストレートでホントによく伸びてきます。
そしてチャンスと見ると一気に畳みかけてきます。
乗せてしまうとちょっと危ういですね。
とは言え、ブラント選手は米国でそれほど評価が高いわけでもなく村田選手の知名度を上げるには少々物足りないとの声も挙がっています。
ということで村田選手のモチベーションが心配ですが、本場アメリカのリングに上がるともなれば気合も入ることでしょう。
試合の予想としては村田選手はいつも通り、固いガードからプレッシャーをかけて相手を追い詰めてズドーン!
という攻め方になるでしょう。
対するブラント選手が村田選手のプレッシャーに対しどこまで耐えることができるのか?
ここがポイントとなりそうです。
私の予想としてはブラント選手の得意の右を鉄壁のガードで防ぎながらプレッシャーをかけ続けた村田選手が中盤に捕えはじめ、
ポイントを稼いで判定勝ちもしくは終盤のKO勝ちと考えています。
「ムラタとゴロフキンの試合が見たいぜ!」と本場米国のファンが驚くような勝ち方をぜひ見せてほしいですね。
■さいごに
今回は2018年秋の日本人選手のボクシング世界戦スケジュールと考察・勝敗予想についてお伝えしました。
勝敗予想をまとめると・・・
【WBO世界フライ級タイトルマッチ】
〇田中恒成 ●木村翔
【WBSSバンタム級1回戦】
〇井上尚弥 ●ファン・カルロス・パヤノ
【WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ】
〇拳四朗 ●ミラン・メリンド
【WBA世界ミドル級タイトルマッチ】
〇村田諒太 ●ロブ・ブラント
今年の私の予想は外れ先行なので正直なところ信頼度はイマイチです。
それは置いといて、今年の秋も楽しみなボクシング世界戦。
さらに井岡一翔選手も現役復帰しますし、この秋を経て年末のボクシングをさらに盛り上げてほしいですね。